市政報告

令和元年9月20日

「カジノを含む統合型リゾート提案」

横浜市のIR誘致に反対する討論 要旨

ヨコハマ会横浜議団 小幡正雄
カジノ抜きのハーバーリゾートを!
 

(横浜市会第3回定例会は9月3日から10月16日まで開催中です。)
今回の提案された補正予算のうち、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘到に向けた調査費2億6千万円について、反対の立場から討論します。

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カジノを含む統合型リゾート(IR)について林市長は、2年前の市長選挙以降5月市会や8月21日まで【白紙】と答えていました。
ところが、8月22日の記者会見で「カジノを含む統合型リゾート提案」を行いました。

なぜ、この時期にカジノの導入を発表したのでしょうか。
カジノの導入の是非には市会の議決が必要です。

林市長がカジノの導入を決めた主な理由は、人口の減少、老年人口の増加や消費や税収の減少、社会保障費の増加など、経済活力の低下や厳しい財政状況になるので、統合型リゾート(IR)を誘致し観光の振興で財政改善を行い、また、ギャンブル等の依存症や治安悪化などへの対策をしっかり行うとしています。

これに対し横浜港運協会は横浜港で開港以来横浜港の振興を図るための港湾業務を行い、横浜経済と雇用の3分の1を担う大変重要な役割を担ってきた港湾行政を知り尽くした専門家の団体です。

この同協会は日本が世界屈指のギャンブル大国で依存患者が320万人もいる現状を憂いギャンブル依存症を生まないカジノ抜きの「ハーバーリゾート計画」が必要であるとして、国際会議場や展示施設を運営するMAIC・宿泊・エンターテイメント施設などのノウハウを持つシンクタンクと研究を進め、カジノが無くても多大な経済効果を生み出し、事業採算性が十分あるとの結論を出しました。

そこで、6月に「一般社団法人横浜港ハーバーリゾート協会」を結成し、横浜港運協会と共同で6月27日に横浜市長に「山下ふ頭再開発に関する提案書」を提案しました。

しかし、林市長はじめ副市長達はこの提案を無視し、「カジノ抜きの事業は不可能」であると一蹴し、約2か月後の8月22日に突然記者会見で「IRに実現に向けて」と、カジノを導入することを発表し、今議会に予算案を提案しました。

林市長はなぜ、カジノ抜きの横浜港運協会の提案をまじめに検討しなかったのでしょうか。
疑問だらけではありませんか。

疑問の第一は、6月27日に横浜港の運営を支えてきた243の団体が所属する有力協会『横浜港運協会』と『横浜港ハーバーリゾート協会』が持参して、横浜市長 林文子様 宛に、「山下ふ頭再開発に関する見解と要望」を提出しました。
これには参考資料が添付されていました。

これを受け取ったのは平原副市長だそうでありますが、港運協会会長さんがアポイントを取って、提案書と要望書を持参することが分かっているならば、市長が面談できる日程を先方に伝え、面談するのが社会常識ですね。林市長が面談に応じなかった理由は何だったのでしょうか。

新聞報道では、横浜市は提出された27日の翌日の28日以降にコメントが発表されると見られていると報道していました。
そこで、市の担当者に伺ってみましたが何も聞いていないとのことでした。
また、港運協会に副市長や市の幹部から、提案書の説明要求やコメントはあったのかと伺ったところ、何の問い合わせも、働きかけもなかったとのことであります。

「山下ふ頭再開発 ハーバーリゾートの形成」は10年以前から横浜市と港運協会が共同で取り組んできた一大事業です。
私たち議員はこの重要な計画に興味を持っていましたので、何度も現地視察を行ってきました。

港運協会の提案は、カジノを導入しなくても事業採算性が十分確保できる計画を策定した計画です。
この素晴らしい提案の根拠や説明をなぜ求めないのでしょうか。この事業を推進する港運協会の提案について、何故、市は説明や見解を求めず、無視をしたのでしょうか。
どうしてもカジノ誘致が必要だったのでしょうか。これが、第一の疑問です。

第ニの疑問は、通常、本市の重要な案件は、市民意見を募集してから議会に提案しています。
また、現在の本市の各事業について、市会の意見を聞いた後に、市民意見を聞くためりサウンディング調査、いわゆるアンケート調査を行った後に、各事業の素案を作り、市会の意見を聞いた後にさらに意見募集を行い、原案を作成し、市会の同意を求めて正式な計画としています。
また、本市には重要な意思決定をする場合には、横浜市経営会議に懸けなければならないと考えます。

現在の経営会議は、林市長が就任した後の、平成22年3月に全面的に書き換えましたが、この設置規程には、市政運営の重要な方針を決定し、重要な施策、事業の政策判断を迅速に行うとともに、横浜市の将来を見据えた議論を行うため、横浜経営会議(以下「経営会議」という)を置く。としています。

経営会議の議長は林市長、副議長は渡辺副市長、委員は他の3名の副市長とであり、委員は政策局長、総務局長、財政局長及び政策局政策調整担当理事となっています。

これだけのIRの導入について反対の意見が強い案件で、市長選挙の公約に「白紙」としていた重要な方針決定が、「経営会議」の所掌事務である「市政運営の重要な方針に関すること。」及び「市政運営の重要な方針に関すること。」とは考えないのか。

今申し上げた、経営会議のメンバーは、カジノを含むIRが市政の重要な方針、重要な事業及び政策にあたらないと考えるのか、責任を自覚しないのか、責任放棄ではないのか。市長が議案にしない場合は、副議長の渡辺副市長はじめ5人の委員が、市長に何故、議論しようと進言しないのか、議会や市民を馬鹿にしていないのかと自問自答しないのか。
全員、責任放棄であり、敵前逃亡にあたるのではないか。と考えないのか。
市民から「クギ」を刺されたのか。カジノを導入しなくても済む「ハーバーリゾートの形成」が出来たら、カジノが、導入出来なくなるので、無視しろと厳命されたとしか考えられません。

横浜市会と横浜市民の英知を集めてカジノが無くても「ハーバーリゾート」を完成させるための提案を考えましょう!

第三の疑問は懸念されるギャンブル依存症です。

カジノ導入に反対する人々の最大の理由はギャンブル依存症です。日本ほどギャンブル野放しの国はどこを見渡してもないと多数の精神科医は語り、依存症関係の書籍も多数出版され、警鐘を鳴らしています。経営会議のメンバーはこの警鐘が聞こえないのでしょうか。
耳が悪いのでしょうか。聞こえても無視しているのでしょうか。

日本は世界屈指のギャンブル大国だと言われています。パチンコ、スロット、競馬、競輪、競艇、など。ギャンブル依存症患者は、国内で推定320万人と目されています。親の貯金や年金、自宅が無くなってもやめられず、さらに借金が増え続けるというギャンブル依存症。本人が身を滅ぼすだけではありません。

親や親類が迫られる出費は何百万、何千万、時には1億を超える場合もあり、被害を受けた人を含めば1千万人、国民の1割近くが苦しんでいることになります。カジノ開業を始める前に、忌まわしき「国民病」の撲滅の方が、国益にかないます。

昨年の総合審査で、私は、市長にパチンコ屋が関内周辺や駅前に沢山あることについての見解を伺ったところ、市長は知らないと答えましたが、その実態を知らない人が、カジノを語る資格はありません。
韓国は2006年にパチンコを禁止しました。
私は、国に対してカジノを認める前にまず、パチンコを禁止すべきであると考えます。

最後に、横浜港運協会の藤木会長が、記者会見でも述べられていましたが、「横浜港の栄光に満ちた歴史の再認識」であり、横浜港は日本の近代化をけん引してきたという誇りです。
この栄光ある横浜港に、何故、カジノいわゆる博打場を造るかということです。

カジノ産業は国際資本が、カジノを使って豊かな国から資金を巻き上げ、やがてはその土地の経済権を強奪する産業です。
横浜港の栄光ある聖地を外国資本に売り渡してはなりません。それは横浜市会議員の責務であります。

この議案は、横浜市会が否決し、これを契機に、横浜港の栄光を護るために、カジノを導入しなくても「横浜港のハーバーリゾート政策を成功させなければなりません。」

横浜市会が良識ある議員の集まりであるということを市民に表明しようではありませんか。

以上、反対討論といたします